華氏451

2007年2月24日 観た映像
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2006/04/19 ¥980


『華氏451 』Fahrenheit 451.

(1966年 イギリス/フランス)

監督/脚本:フランソワ・トリュフォー
原作:レイ・ブラッドベリ

脚本:ルイ・リシャール
音楽:バーナード・ハーマン
撮影:ニコラス・ローグ
美術:シド・ケイン
衣装デザイン:トニー・ウォルトン

製作補:ミッキー・デラマー
製作:ルイス・M・アレン
(ビニヤード・プロ)

出演:オスカー・ウェルナー
   ジュリー・クリスティ
   シリル・キューザック
   アントン・ディフィリング 他

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

反社会的思想を生む書物は法律で所持することも
読むことも禁止された近未来社会。

消防士のモンターグは違反者を取り締まる役人。
黒に統一された制服はエリートの証。

寡黙で素直な働きぶりは上司にも気に入られ
昇進の話をちらつかされて喜んでいた。

妻は社会規格に外れない生活を怠惰に楽しみ
放映される番組から目を離さないでいる。

通勤列車のなかで、あるとき隣人だというクラリスに
話しかけられたモンターグは本を読むことに
少しずつ興味を持つようになっていく。

市民が常用している薬は興奮剤に鎮静剤など。
時には服用しすぎて意識を失い、専門チームがやってきて
モノのように血液交換されることもある。

想像の人生をうらやむことなく、余計なことを考えず
全ての人間が平等に生きるための焚書だと
上司は言うが、果たして・・・。

やがて本にとりつかれた夫を厭い、妻が取った行動は。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

消防士(ファイアマン)の役割は火を消すことではなく
隠された本を探し出し、焚書をすること。
秘密警察みたいな扱いです。密告も奨励しているし。

なぜ火を消す職業が焚くほうへ?という理由は
全部耐火建築で火災が起こらない世の中だから
消防士の本来の仕事から変化したらしいです。

出動するときの映像も異様でびっくりだが
吊り下がってるモノレールのような列車から
長い階段だか梯子が降りてくるのも奇妙な感じ。

無理に未来都市や未来型の家にしていないところ
近未来なのにフツーの風景がいい感じ。
本来の消防士が不要な世界には見えません。

家のドアが自動だったり、現代のように薄型で
ワイド画面のテレビが壁にかけてあるが
家の中の電話は昔の電話で、しかもいたるところにあります。
移動してもその先に、子機じゃなくてそのまま電話。

当時はきっと斬新だったろうデザインの一戸建てや
集合住宅は、セットなのかどこかのモダンな建築物を
利用したのかわかりません。

フシギ満載で、これはツッコミを待っているに違いないと
思いたくなるような箇所がたくさん。
笑って良いのかどうしたらいいのか考えました。

どっかズレていて、その外しっぷりに
頭ぐるぐるしてくる映画。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

活字好き、特に本そのもの好きには一種のホラー映画かも。
大量の本を投げ落としたり燃やしたりする場面では
きっと胸が痛くなるでしょう。もったいない〜。

犠牲になる本のタイトルがはっきりくっきり画面に
表示されるので、何の本かな?と観ていくのも
なかなか興味深いです。有名な文学作品もたくさん
出演(?)してます。

<BOOKMANの村>で、本を一冊すべて暗記して
ヒトが本になるエピソードがしみじみ良かったです。
自己紹介するとき『<本のタイトル>の<名前>です』
って言うの。

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翻訳本持ってるけど未読のまま。

本が燃え上がる温度がFahrenheit451だということは
それにも書いてあったと思います。

うっかり先にこのような映画を観てしまったことで
小説のイメージも増幅されるに違いないです。

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