ISBN:4087203514 ¥714

著:山折哲雄
集英社新書(集英社)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

プロローグ

第一章 ブッダは、なぜ家を出たのか

「家出」にはじまる/理想の人生/誕生した子、ラーフラを捨てて/ラーフラ、出生の秘密/シッダールタ、決断の理由/「四門出遊」という美しい物語/六年間胎内にいたという伝説/聖なる子か不義の子か/「林住期」という自由な時間/シャカの六年間の苦行とは/家出がもたらした子捨て親捨て

第二章 ブッダは、なぜ子を捨てたか

シャカも、捨て子同然であった/親を失った子どもに未来はあるか/母の喪失と、独り覚者であるという宣言/十三年目に生まれた子ども/わが子に悪魔の名をつけた/太陽や月を呑み込む悪魔ラーフ/愛欲の果実/二度捨てられた子/身勝手な動機/捨てられた子の思い/ガンディーもまた、子を捨てた/血縁を断つことの見返り/ブッダとガンディーの違い/仏弟子になったラーフラ/選ばれた十大弟子/十人十色の後継者/二人の特別な弟子/ブッダの子という難しいポジション/ブッダに侍した二十五年/捨てられた子は父を憎み、怨んだのか/最後の旅/聞くアーナンダ、見つめるブッダ/ブッダの遺志

第三章 ブッダの思想の真髄とは、どのようなものであったか

わが骨にかかずらうな/アーナンダの裏切り/自己を捨てる/乾いた大地に行脚して/一千年という時を経て/形あるものは滅びる/モンスーン・アジアの東西で/欲望からの解放/「色即是空」/父王を殺した王舎城の悲劇/悪人の救済/聖と俗のはざまで/ヴァーチャル人間から真実人間へ/脱人間的存在となったブッダ/インドでの仏教の衰退

第四章 ブッダの教えは、日本へどのように広まったか

アジアの周辺の国々へ/旅をする僧たち/十大弟子に宗派をなぞらえてみる/浄土教の広がり/禅と説法の宗派/心の浄化がもたらす無私の境地/どこよりも大きな地殻変動−先祖崇拝/日本で生まれた大乗仏教の形/カミとホトケの習合/日本における仏教パンテオン/姿をあらわしたカミ、隠されたホトケ/死んでホトケになる/遺骨信仰へと変化/葬式の形/ブッダの言葉を文字化した経典/「般若心経」に盛られたエッセンス/日本で仏教を生きつづけさせたもの/ブッダの苦しみの体験は引きつがれたか

第五章 ブッダは今、どこにいるのか

ブッダの姿をさがして/今なら死ねるか/西行と親鸞/風化する命を見つめて/獣の皮をまとった「聖」/皮上人のイメージのかなたに/現代にブッダをさがす/平和を祈念する仏舎利塔建立/日本にもブッダがいた/仏教発祥の地での重い課題/仏教に集団改宗したヒンドゥー教/改革者アンベードカルの後に/われわれは今、林住期の中で

あとがき
引用文献

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

目次を追っていたらこんだけありました。

タイトルが多少センセーショナルなのだなと思いました。
今の時代に売るために多少狙いすぎという気がします。

内容は仏教の歴史やブッダの伝説から推測される当時の
彼等の気持ち、日本へ伝わった仏教とは?ということなど
人の想いの流れを辿っていくことが出来る歴史書です。

何も知らないままで、救いや慈悲を求めて
宗教にすがるイメージとは反するように
最初のそのひとの生き様はきっぱりと厳しく、
周囲の家族や友達、臣下や民衆には
どれだけ無慈悲に思えたことだろうと
ちょっと考えてみました。

本書では岩波文庫でも読むことが出来る
『ブッダのことば』(中村元:訳)から
よく引用されています。

ただ独り歩め、と説くブッダの教えは
日本の仏教ではあまり感じられないような
気がしますが、それらについても
なるほどなぁと思えるくらいに
説明してくれています。
面白かったです。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年4月  >>
303112345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930123

お気に入り日記の更新

日記内を検索