日本沈没

2006年8月4日 観た映像
DVD 潜水艇「わだつみ6500」のパイロットの小野寺は、同僚の結城とともに、深海調査に乗り出していた。そこでふたりは驚愕の事実を発見する。このままいくと海底プレートの沈降で、日本列島が海に沈んでしまうことがわかったのだ。日本の危機が目前だと、ふたりを指揮していた地球科学博士の田所はほかの科学者や日本政府にSOSを出す。しかし…
======================ここまで引用そのまま。

「日本沈没」(2006年日本)

大昔の印象が強く残っているらしい
家族の要望により劇場に
おつきあいさせていただきました。

実家にもあったノベルズ一冊。
未読。旧作映画やドラマも未見。


良かった(かも)>>

◇ところどころアレ?と思ったところもありましたが
総じて災害の映像はものすごかったです。
本当に恐くなりました。

◇大きな嘘ではありますが、本当にそんなことが
起こったら、日本人はどうするかな、と考えてみたこと。

経済的に旨みのなくなった日本人が他国に
受け入れられるのか。
過去の文化は有り難がられても
今はどうなんだろうとか。

◇腹黒政治家がエゴまるだしなところ、時代劇並みに
定型でも「それありそう」と思っちゃうところに
今の政治への想いがあるかも。

悪かった>>

◇一部の役者の演技が稚拙。
緊迫した大画面の合間で、毎週やってるような
恋愛ドラマの寒い演技を見たくなかった。

◇台詞の一部、いっぺんで現実に引き戻される拙さ。
こうなると演技云々より、脚本と演出、なのだろうか?

◇移動手段がなくなっていっているはずなのに
小野寺が短時間で場面ごとに移動しているところ。

自衛隊ヘリのフリーパスでも持ってたのかしらーと
懸命に想像してみたが無理があった。

◇レスキュー隊は私情で動きたくても
家族が心配でも自由がきかないだろうときに
勝手しすぎ。髪長すぎ。

◇冒頭その細腕でほぼ片手の救出は無理。

◇都合よくメインキャストの家族や友人「だけ」
滑落や土砂崩れから助かる点は、観ている側からは
救われるかもしれないが、リアリティを削ぐ。

◇荒唐無稽な大きな嘘をついているからこそ
細部のごまかしは上手くやって欲しかった。

ごまかしという言葉は悪いかな。
気遣いが不足。
各所各所でこまいとこも「んなわけないな」と
あまりに思わせすぎ。

◇自衛隊、消防などがかなり協力した映画のためか
かっこいいところばかり目立つ。
大災害時の指揮系統の乱れや、救助したくても
人も道具も足りない焦りも感じられない。

◇恋愛ネタで「感動させよう」という場面を無理に持ってきた点。

向こうの映画じゃあるまいし・・・。一刻を争うとき、
別れくらいは許されるだろうが、ここまでの流れから
丁度良く間に合うのも可笑しく、愛のテーマが流れて
余計冷めていく。いい曲かもしれないのに。
ここで泣かないといけないのかと考えこんだ。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◇恋愛を大事に見せ場にするなら、
それまでの描き方が半端だったように思う。
時間内では難しかったのか。

◇原作を変えてしまうなら、男女のネタは
もう小野寺より博士と元女房の関係を軸にしても
良かったかなとちょっと思いました。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

ここらへんまで、映画観てちょっとしてからすぐ
下書きしておいたぶんです。

観てから2週間以上経って記すために思い出したら
また哀しくなってきました。

お金を幾らかけても××なものは××。
つまらないものは超絶つまらない。
監督もいない、役者もいない。
たとえ演技が拙くてまだまだ成長途中でも
素材を生かす周囲のスタッフもいない
・・・んじゃないかと思いたくなった作品。

たとえ拙くても、何かあるなら、
心が打たれるかもしれないのに。
もう、こんなので感動しないといけないのは
金輪際いやだと拒む自分がいて
何か情けなくなってきた。

スポンサーつきのテレビドラマではない。
最終的に自分で観ることを選択したとはいえ、
劇場でお金を払ってみる映画なのだ。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

地味だけど観てよかったと思う邦画は
きっと今でもいろいろあると思っています。

何も海の向こうのハデな映画を意識せずとも
邦画のいいところはある。

例えば小さな恋愛や身近な、あたたかなもの、
それだけ描いてれば、描くことができれば
いいんじゃないのかと思うこともある。

でも。
それだけでいいのかなと思う。

大きな歴史のうねりや、群像劇、
人の哀しみ、喜び、生と死、
世の中の、おおきなドラマを描くとき、
いつまでもこんな映画ばっかりじゃ・・・。

スケールの大きさや制作費のすごさを
宣伝で語れば語るほど虚しい。

コメント