ISBN:4044499055 2005/02/25 ¥500

著:雪乃 紗衣
挿画:由羅カイリ

角川ビーンズ文庫 (角川書店)

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『彩雲国物語』シリーズ第五巻。茶州編の後半。

前巻では茶仲障、茶家の孫たちと謀った殺刃賊によって
仲間と離れ離れになった秀麗。無事に金華で再会し
地元の経済を取り仕切る商人たちの組合や
街の実力者から認められ、徐々に味方につけていく。

着任期間は三月。期間内に正式に着任式が行えなければ
官位剥奪が待っている。茶家からの妨害により金華到着までは
随分かかってしまっている。
茶州州都へ向かう秀麗一行だったが、もう一刻の猶予もない。

秀麗は無事州牧として着任できるのか。
茶家内部の腐敗はなくなるのか、
呪縛は解かれるのか・・・がメインのお話。だと思う。

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今回は前巻から引き続き、静蘭の秀麗への気持ちが
逆に秀麗が静蘭をどう思っているか
丁寧に描かれていて興味深いです。
これも茶朔洵の存在ゆえか。

ヒロインが悪役や、立場上カタキ役に惹かれるのは
気持ちが揺らぐ様が見所になりますが、この作品でもそうでした。

紫劉輝は話題や回想に存在をアピールするくらいで
この巻でもほぼ出番なし。

お嬢さんの茶朔洵への想いは果たして恋なのか。
あと静蘭の真っ黒さがオモテに出てきていい感じ。
ビバ!腹黒!

あと商人切れ者眼鏡君が活躍して喜んでます。

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