「亡国のイージス」

2005/日本ヘラルド映画/松竹

原作:福井晴敏
監督:阪本順治
脚本:長谷川康夫

音楽:トレバー・ジョーンズ
編集:ウィリアム・アンダーソン

撮影:笠松則通
美術:原田満生

Cast/
真田広之(仙石恒史/「いそかぜ」先任伍長)
佐藤浩市(渥美大輔/防衛庁情報局内事本部長)
勝地 涼(如月行/「いそかぜ」1等海士)
寺尾 聰(宮津弘隆/「いそかぜ」副長)
中井貴一(溝口哲也/FTG3等海佐)

チェ・ミンソ
吉田栄作
谷原章介
安藤政信
豊原功補 ほか

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最新鋭の防空システムを搭載したイージス護衛艦「いそかぜ」に、沖縄米軍基地から盗まれた化学兵器「GUSOH」が特殊工作員によって持ち込まれたのだ。「いそかぜ」の先任伍長の仙石はその情報をつかみ、新入りの如月が工作員ではないかと、目星をつけるが、副長から離艦命令が。そのあと「いそかぜ」の全ミサイルの標的が東京に設定された…
===================================(あらすじ引用ここまで)

映画の内容を単純に言えば、スティーブン・セガールの『沈黙の戦艦』(’93)や、
テロ組織や犯罪者集団にたった一人で立ち向かうダイ・ハードシリーズを連想。
それに現役軍人で白制服組のクーデターもプラス。

ただ、日本が舞台なので、専守防衛の自衛隊の在り方や北朝鮮との関係、
戦争の意味、加えて親子の関係など、重いテーマも盛り込んである。

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主な舞台となる「いそかぜ」の艦内も本物みたいに見える。
そもそも、今、現実に使ってる自衛隊の護衛艦や飛行機の本物を観る機会は
普段なかなか無いわけで(見学会もあるけど)、セットくささが全然無くて
どのくらい本物借りたんだろうと思いました。

メカ・設備だけではなく、登場人物の会話、立ち居振る舞いから、
用語の監修に至るまで、防衛庁、海自空自全面協力によって
かなりリアルな様子が表現されているとのことです。

ちっとも詳しくないけれど、現実でも戦闘機や戦艦など大好きなので、
興味深かったです。ただ、それらを「大好き」と言うことに、常に
どこか後ろめたい・躊躇う・単純にはしゃいじゃダメ、のような気分は
付きまとうため、いつもぐるぐるしますが。

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同じような内容の海外映画だったら全然違う印象になっただろう。
良いところイマイチなところ、全部ひっくるめて日本映画だと思った。
(具体例をここで出せず申し訳なく・・・)

ベタベタとも言える人情、人の良心に訴える様子に、
描き方もあるけど、こういうのに打たれたり、ウルっとくるのは
甘いのかどうなのか・・・。何か、こういう(ナニワ節)思考でも
いいのかな、と自分で納得させようとしたり。

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あと、さんざんやられても皆、丈夫だなあと、ヘンなトコで感心。
イヤ、もうそれ死んでそうです!と思うようなとこでも
けっこう皆さん元気にしてて、そのへんはリアリティなし。

かつてのアクションスター、真田広之は不死身だと思いました。

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アニメーション以外の邦画をわざわざ観たいと思うことは少ないのです。
これはキャスティングで観たかったのでした。

あと、メカは大好きですが、普段、ミリタリー小説やコミックはほとんど
手に取りません。最初はこのお話もそういうのかな、と思ってました。

『亡国のイージス』に興味を持ったのは、公式サイトからです。
コミック版にまさかの少女漫画バージョンがあるとのことで驚いて。
特殊工作員の如月がかっこいいらしい、ということから、内容が知りたくて
まず青年誌連載中のコミック版のほうを読んでみました。

この映画も、詰め込みすぎて説明不足のところが多々あり、駆け足で
ストーリーが進むため、事前にコミック版を途中まで読んでおいて
良かったと思いました。

なんか、いろいろお金をかけた作品の場合、映像それだけで楽しむことって
今はもう出来ないのかなあ、とちょっと寂しくなりました。

原作も読んでみたかったので、映画を観たあとに購入。楽しみです。

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