星空の二人

2005年6月12日 読了本
ISBN:4150307989 2005/05/25 ¥714

『星空の二人』

著:谷 甲州
ハヤカワ文庫JA(早川書房)

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緑の星
星の夢に
五六億七千万年の二日酔い
彷徨える星
繁殖
スペース・ストーカー
ガネッシュとバイラブ
星空の二人

解説/林 譲治

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人類の探査や侵略を拒むもの。
樹(「緑の星」)と
星(「彷徨える星」)。

星について息子に語っている夢をみた「星の夢に」

14歳で肉体の時を止めたアイリーンとの
パートナーシップ。異星人の攻撃から、
パートナーを守るための死闘。「繁殖」

大いなるバカSF短編がふたつ。
「二日酔い」と「ストーカー」。

二日酔いの方は、タイトルで示されるとおり
弥勒が登場。仏教宇宙におけるバカエロ比喩。
実は壮大な宇宙論か。

「スペース・ストーカー」は平行宇宙からの求愛者に
立ち向かう若い夫婦の話。
<女性が一生でいちばん美しい時期は10代の前半>
との記述を読んで、読者向けにあえて書いたのか
著者の嗜好かちょっと考えてしまった。
(「繁殖」でも10代なので)

二万年に近い年月、仮想人格を搭載した
宇宙船が追いかけるのは・・・「ガネッシュとバイラブ」

新米航宙士の麗奈が、仮想現実の情報プールで会った少年。
同い年くらいに見えたのに、実際はずっと格上の航宙士
であったことがわかり戸惑う。(「星空の二人」)

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表紙(カバーイラスト:水樹和佳子氏)とタイトルで
衝動買い。浪漫的SFでちょっとハードなやつかな、と
思い込んでいました。

このなかですごく好きだなあと思ったのは二編。
「星の夢に」はちょっと泣けた。
二編目にこれがこないで、「二日酔い」がきてたら
表紙でたばかられたと早合点したかも。

「星空の二人」は設定もお話もロマンスに
脳内変換しやすく、ラストにたどりつくのが
勿体無かった。長いこと浸りたいくらい。

萩尾さんや、竹宮さん、佐藤史生さんの
優しい余韻を残すSF短編を思い出した。

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私の好きなSFといったらマキャフリィの『歌う船』
ハインライン『夏への扉』。ブラッドベリの不思議な世界、
アシモフ、ロボットのシリーズ。

ハードSFの定義がいまいちわかってない私。
宇宙物理天文機械他の理系に親しんだ人により楽しめて、
設定も世界観も細かい科学考証をされたファンタジーって
いう印象があります。実際はどうなんでしょうか。
正直、私は雰囲気しか楽しめないのが哀しい。
ところどころ全く理解できてないだろうから。

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