DVD ビデオメーカー 2005/02/17 ¥4,935
自主制作のアニメーション『ほしのこえ』が大きな話題を呼び、一躍アニメ界の注目株となった新海誠が、満を持して発表した長編アニメーション第一作。日本が南北に分断されたもう一つの戦後の世界を舞台に、二人の少年の友情、そして“眠り続ける少女”との約束の顛末が描かれる。 (ここまで引用そのまま)

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発売日に予約して買っておいて、今日まで観なかった。
時間も気持ちの余裕もあって、何もせず集中して
ちゃんと観たいDVDやビデオは、けっこう後回しにして
「積」んである。本やゲームといっしょ。

そのうち観る機会を失くしてしまい、テレビ放映で
先に観てしまったりすることもある。

珍しく観る気になった。
先日、原作本読了後、映画『秘密の花園』を最後まで観て、
本も映画も何度もいろんなところに改めて気付いたり
毎回同じところで「いいな」と思ったり。

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そんなわけで、じっくり好きだと思える映画観たいなあ、の
気持ちが今のところ継続中なので、たぶん
今なら観られると思ったんだろう。

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いちいち観る理由で長文にしても仕方ないが
この作品については密林商品レヴュから多種ブログまで
いろんなひとがいろんなこと書いているようです。

なんだろ、言葉がなかなか見つからない。

えーと、

*劇場で予告編を観たイメージと違ってた。
『ほしのこえ』は観たことがないし
 設定やキャラもよく知らないので
 そのつながりではイメージしようもなく
 予告以外に持ってたものはあまりなかった。

*空が青くてスコーンと高くていい色だと思った。
 長細い塔がどこまでも伸びてるのが面白い。
 
*光にこだわってるのかな。
 一箇所だけキラキラ効果が余計というか
 ちょっと不自然だと思う場面があった。
 他はだいたい、きれいでいいなあと思った。

*なんでもない日常の風景も誰かの眼を通して
 上手な人が描くと、ああなるんだと感心した。

 ただ写実的なだけじゃなくて、とても和むし
 美しい。

*気に入ったのは電車の内壁を走る光の粒。
 思わず見入ってしまった。
 
*傘の先を伝い落ちるしずくも細かいなあと。
 いろんなものをよく観てるんだろうなあと思った。

*「ものがたり」「SF」としてのツッコミどころは
 たくさんだが、専門にツッコミたいひとにまかせるべし。

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声、に頼るところがかなり大きいかもしれない。
主人公の声の人は独特。例に漏れず『北の国から』は
最初のシリーズからリアルタイムで観て育ったもので。

予告編で観た眼鏡君が忘れられず買ったようなものだが
声が最初から「どうかな?」と思っていた。
でも覚悟していたほど違和感はなく、好みはともかく
けっこう上手い場面もあったので、良かったと思う。
眼鏡、かっこよかった。成長したほうが当然好きだ。
主人公は主人公として、良かったが
私フィルターだと眼鏡が活躍して見えた。

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『海がきこえる』に三角関係がちょい似てる。
氷室さん原作でジブリが作った青春ドラマ。
素直でちょっとヘタレ主人公とクールな眼鏡。定番?

マドンナの性格はぜんぜん違うけれど
女性側からと男性側から描くのが異なるのか、
それとも作者の好みの違いか。

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『雲の向こう〜』のヒロインを観て。

男の初恋話的エピソードにはどうして
こういうタイプが多いんだろう、などと偏見ともとれることを
考えてみたが、本作では特にヒロインに嫌悪感もなく
むしろけなげで可愛い、援けたくなるタイプ。
声も良かったと思う。

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ラストはあれでいいと思う一方、
あれ、これで終わりなんだ、と寂しくも感じた。

冒頭へつながる「余白」が気になって気になって。

観終わってすぐまた冒頭だけ繰り返して観た。
やはり気になる。

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飛ぶ、こと、自然の描写など
日本のアニメーションを測る物差しのひとつに
宮崎氏とジブリの作品があがるが・・・
比べてもなあ。

じゃあ無理やり。

宮崎氏の作品には痛烈な皮肉や風刺、屈折した某があって
時々何か責められている気がするほど
身につまされるときがあるが・・・
『雲の向こう〜』からは後ろの「何か」が伝わる様子が
緩やかで、こちらのほうが心地いい。

・・・と思うことのほうがまずいんだろうか。
そのへんは「好み」と言い切ればいいのか
「生き方」「姿勢」まで考えないといけないのか
考えるのはまた面倒。

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とにかく。
量産されてひどい「絵」「画」「動」のアニメーションが
多いなかで、これだけ丁寧なものを観られたことも
嬉しかった。



 
 

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