DVD ポニーキャニオン 2003/12/17 ¥3,990 ほんのちょっとしたイタズラ心が災いして大事件になり、少年院に送られることになった4人の仲間。なんと少年院で待っていたのは看守からの虐待と暴行。十数年後、大人になった彼らのうち2人が偶然、看守と会って衝動的に殺害してしまう…。 少年院で味わった屈辱と悲痛な心を抱えたまま大人になった4人が、それぞれの方法で看守たちに…(引用そのまま)

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観たのはテレビ放映の録画です。
ラストまでぜんぶネタバレ感想。

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後味が悪い・・・というより、何か違和感が残った。
テーマが重いのに、何となく薄っぺらなのだ。

豪華キャスティングを揃えただけ、という感じがする。
脚本をもっと練れなかったのか。
演出は。

印象に残る良い場面もあった。
なのに何故だろう。

マフィアに「守られた」貧しい街、下層生活者。
いつもの悪ガキどもの窃盗、それは彼ら「子供」の
自分勝手な楽しみ。

ホットドック屋の店主の生活や人格も考えずにいた、という
大人になってからのモノローグは、入ってよかったと思う。

それは事故でもあったが、過失傷害事件として
四人の少年たちは収監される。
そこで日常的に行われる虐待、性的暴行。

大人になってから偶然、元看守(K・ベーコン)に出会い
拳銃で撃ち殺してしまう二人。

守ろうとする記者と、検事の二人。

最後は何故か『無罪』。
それで一応のハッピーエンドになるのは、どうなんだろう。
その後の彼らについて語られるが
無罪になった二人は結局無残な死体をさらすことに。
それは、やはり「罰」が下ったということか?

少年時代への惜別、美しい想い出はいい。
『スタンド・バイ・ミー』のように、悪ガキの頃を懐かしむ
あのテの匂いがする。それもいいだろう。

その少年時代をめちゃくちゃにした
それは少年たちの自業自得でもある。
少年犯罪をすぐ「そのくらいのこと」とする大人は
何をもって許すと言うのか。
「そのくらいのこと」で人生を台無しにすることはない?

だが、実際「そのくらいのこと」で
人生を狂わされた被害者の方はどうするんだろう。
ちょっと話が逸れるけど・・・。

彼らが悔いているのはわかる、そして
卑怯な看守たちの行動が許されないことも。

K・ベーコンの悪役ぶりは板についてるなあ・・・。
せっかく食堂で援け舟を出してくれた黒人の看守、
彼はあれきり出てこないし。

最初に殺されてしまうのではなく、ノークスは法廷で
裁かれるのかと思っていた。
黒人の看守はあとで何か証言するのかな、と思ってたが。

また、後に復讐を果たす役をリゾの兄に与えるなら
看守を見返したいという少年の進言によって死ぬことになった
リゾについても、もっと描写が欲しかった。

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復讐劇としては全然足りない。
他人の手を借りて、街の顔役が助けてくれて、
他の元看守もそれぞれ破滅に追いやる方法も
この映画の見せ方だと、記者が検事の計画の<完璧さ>を
強調するほどのことではない。

法廷内で明らかにされる少年院での虐待。
だがそれだけだ。それで何か変わったのか?
たった一度の法廷のなかで、それが明らかになったとして
何か改善されたのか?それについては語られない。

平板な法廷シーンで、殺されたノークスの友人として
出廷し、涙を流しながら証言した元看守が印象に残る。

モンテ・クリスト伯を引き合いにだすほど
鮮やかな手並みとも思えないし
神父の証言が最後の切り札というのも何か足りない。
デ・ニーロが演じているから重みがあるんであって・・・
また弁護側のホフマン、彼を使うのが勿体無い。

だいたい、何故そんなに街のドンは彼らに手を貸すのだ?
殺人を犯した二人が手下だからか?
子供の頃から世話してきた4人だから?

「復讐」劇なら平板すぎるし
社会告発ドラマなら薄っぺらいのだ。

あそこで落ちぶれた看守を殺すのでは、観ている側の
スッキリ感はあんまり無いのではないか。
一番悪いヤツとして描かれているのに。

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子役の美しさやみずみずしさ、哀れさが引き立つだけで
大人役になったら印象薄ッ!つーか汚なッ。
どの子がどの大人になったのか最初
ぜんぜんわかりづらくてやんなっちゃう。

ブラピがキレイなだけか。それもまだ若くて演技も
サエがない。イマイチ検事としては物足りない。

子役のときはホントみんな可愛かったのに。

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『スリーパーズ』 SLEEPERS ’96 アメリカ映画

監督:バリー・レビンソン
出演:ロバート・デ・ニーロ ケヴィン・ベーコン 
ブラッド・ピット ブラッド・レンフロ 
ジェイソン・パトリック 他

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と、これらの感想を書く前に、映画サイトの
ネット批評や感想を読まなくてホント良かった(笑)
けっこう的確に書いてる人多くて。

映画、ぜんぶ美男美女とか豪華俳優だけにしても
たぶん不自然でつまんないんだろうけど・・・
男優メインまたは豪華な男優キャスティングの時の
女優さんってなんでこうイマイチなんだろう。

それとも日本人(もしくは私)の好きな女優さんと
アメリカ人好みの女優さんは決定的に何か違うのか?
(まあそうだろうとも)

その逆もあるんだけどね。女優さんステキなのに
「王子様」がぜんぜんダメダメってのが。

せっかくの「女の子」
四人の少年仲間のマドンナとも言える位置なのに
必要に感じないほど大人になった彼女はイマイチだった。
これは監督が生かせないだけか?

観ないと感想は書けないわけだが、二時間半近く
一生懸命観た割には「面白くない」。
大好きなB・ピットの映画だし、当時話題にもなったので
楽しみにしていたのだが・・・。

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良かったなあと思ったのは
少年たちと神父の交流など前半。
デ・ニーロの温かみと、胡散臭さ(笑)。

あんなに子供たちのことを思って、
頭から抑えつけて説教するのではなく
遊びの中でいろいろ教えてくれた大人。
そんな人がいたにも関わらず、4人のうち
<かたぎ>は2人、はんぶん。
残りの2人は<チンピラ>になってしまう。

少年院の耐え難い屈辱の日々が彼らをさらに
歪ませたのかもしれないけれど、
せっかく導く大人がいても、
人生の最後をあのような形でしか終れなかった二人が
とても寂しく哀しいと思う。

(無罪の報いかどうか、というのは置いておいて)
神父が法廷で、聖職でありながら
元少年たちを守るためにあえて「偽り」を口にした甲斐がない。

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