ISBN:4336032335 単行本 1993/09 ¥1,835

著:岡本綺堂
編:種村季弘

国書刊行会

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影を踏まれた女
魚妖
鰻に呪はれた男
猿の眼

黄い紙
火薬庫

蛔虫
停車場の少女

鎧櫃の血
置いてけ堀

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岡本綺堂の幻想的な短編集。
『青蛙堂鬼談』『探偵夜話』『近代異妖編』などから。

怪異が現れても、謎は謎のまま
ひやり、とする触感だけ残してすっと終る。

ものすごい怖いわけでもないのに、何かぞぞぞ。

ありがちでご都合主義のシメもなく
つまんない駄洒落のようなオチもなく。

昔話を淡々と語るような。

収録されている「置いてけ堀」(『三浦老人昔話』)は
実際そうだし。他に半七親分の事件の話も書いているから
そんな語り口が多いのだろう。

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宮部みゆきの本所の不思議譚などは、もしかしたら
岡本綺堂や鏡花の影響を受けているのでは、と
よく思うのだが・・・。どうだろう。

あとコミック作家の波津彬子さんの幻想譚が好きな方にも
かなりお薦めします。

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日本幻想文学集成にしても、世界幻想文学大系や
鏡花コレクション、探偵クラブに文学の冒険、
黄金の夜明け魔法大系、異貌の19世紀、
ドイツ・ロマン派全集、バベルの図書館。
もういろいろ〜。

図書刊行会のシリーズにはホントマニア向け?が多い。
少数の愛好者向けとでもいうのか。
タイトルを観ていると端から読みたくなる。
すぐ絶版になってしまうんだろうなあ。既に?かな。
公共図書館で根気強く借りるしかないかしらん。

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