ISBN:406268005X 単行本 1998/01 ¥1,575

「真田十勇士 猿飛佐助」
文:後藤竜二
挿絵:吉田光彦

痛快 世界の冒険文学4(講談社)

織田信長が本能寺で明智光秀に討たれた天正十年(1582)の秋、
信州鳥居峠の山中に、幼い男の子を連れた中年の男が住みつく。
左顔面に刀傷のあるその男は、薬師の鷲塚左太夫と名乗っていた。
男の子の名前は佐助。愛想のない子供だった。

鷲塚は里へは滅多に下りてこず、幼いながら佐助がひとりで
薬を売り歩いた。山中では黙々と薬草を採っている二人の姿が
よく村人に目撃された。その動作の俊敏さに、<天狗の親子>と
言われて不気味がられていた。


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孤児だった佐助が鷲塚と出会い、また別れる。
白雲斎という老人に忍術の稽古をつけられ
佐助は忍として成長した。
山中で暮らしていた彼は、ある日狩に来ていた
真田幸村の家臣と再会し、配下となる。

この本では、猿飛佐助を中心に、真田幸村の下に
豪傑・豪腕の戦士たちが集うまでを描く。

短気で暴れん坊の三好清海入道と、途中であった
穴山小助(サトリの能力を持つ)とともに
諸国を旅する佐助の前に様々な人物が現れる。
人買いに攫われて行方不明になった佐助の幼馴染、
おふゆを探すエピソードも加わって、ほんのり
淡い恋心(?)のような雰囲気も添えられている。

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へー。こんな話だったんだ〜!!と今更ですが思いました。
面白いです。講談が元らしいですが、それらのお話も
知りたくなりました。

霧隠才蔵が金髪碧眼!孤児を育てる尼さんも一癖あり。
これ、そのまま少年(少女)漫画にしたら面白いだろうな〜。
なんかおっとりして見える幸村や、配下の六郎(×2)、
クールな佐助と単純で豪快な入道のやり取りがコミカル。
読み物としてもとても楽しい。

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「真田十勇士」。人形劇のタイトルで初めて知って
それからずっとどんな物語なのか知りたかったのです。
イメージとしては、真田に仕える10人の腕のいい
剣士や仲間たちで、そのなかの「サスケ」だけ名前を知ってました。
子供の頃は、白土さんのサスケと同一人物だと思ってた。
人形劇の内容は全然覚えてないのですが
髪ふさふさの人形の様子だけは記憶に残ってます。



同じように剣士が集う「南総里見八犬伝」はオリジナルアニメーションの「THE八犬伝」を観てはまりました。この痛快シリーズではないのですが、同じ講談社の著名作家が文を書く古典児童書シリーズで「少年少女古典文学館」というのがあり、本屋で栗本薫版を見つけたときまっさきに買いました。

人形劇「新・八犬伝」はまったく記憶にありません。
家族は観ていたらしく、玉梓の怨霊の話をしてくれました。

三国志や水滸伝のような中国の古典は日本の物語に大きな影響を与えたと言われています。いつの時代も(主に)少年たちに受ける冒険譚は仲間が集まってきてでっかいことするお話だなぁと思いました。

RPGやファンタジーの祖のひとつとして「指輪物語」がありますが、パーティに新しく加わっては別れ、主人公(またはメインキャラ)が冒険を続けていく話のことを考えると、八犬伝や真田十勇士もそれっぽいです。

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