ISBN:4422202243 単行本 2001/06 ¥2,625

「魔女狩りという狂気」
Witchcraze
〜a new history of the European witch hunts〜
(オリジナル版は1994刊行か)

著:アン・ルーエリン・バーストウ
Anne Llewellyn Barstow

訳:黒川 正剛 

(創元社)


プロローグ
序章
第一章 なぜ女性なのか−ジェンダー、数、階層
第二章 魔女狩りの構造
第三章 ヨーロッパ中央諸地域における魔女熱狂(witchcraze)
第四章 ヨーロッパ周辺地域における魔女狩り
第五章 女性と仕事−経済的周辺化
第六章 病治し(ヒーラー)から魔女へ
第七章 女性の身体の支配−暴力とサディズム
第八章 女性を閉じ込める
エピローグ

付録 魔女裁判の犠牲者数

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16−17世紀の近代初期に西欧で吹き荒れた魔女狩りの嵐は
女性狩りであったという主張のもとに記された魔女裁判研究書。
多くの参考文献から引用された本著は、魔女裁判の歴史的事象
だけでなく、魔女狩り(魔女裁判)が今までどのように研究されて
きたのか、どんな側面から描かれてきたかという歴史も綴る。

また、単に過去の事件としてだけでなく、「絶えず現代社会と
照らし合わせながら理解していこうとする、著者の激烈な姿勢に
裏打ちされている(訳者あとがきより)」。

序章は、欧米の魔女裁判研究の概略を読まされているような
気がしたが、既にここでもう著者の冷静な論のなかの
かなり激しい怒りのようなものを感じる。(翻訳だが)

途中、何度も読むのがいやになった・・・。
(その原因は翻訳の読みにくさだけではない)
欧州史、それも神聖ローマ帝国のことをいろいろ調べたくて
読み始めたものだから、最後まで読もうと思った。

結局読むペースが遅くなってしまい、少しずつ頁をめくって
2週間もかかった。

先日、異常殺人の本を今読む気になるだろうかと
疑問符で書いた。狂人の殺人記録を読むのも苦痛かもしれない。
が、本人たちが正義だと信じ、「悪に復讐し、滅する」為に
想像もできない残虐性をもって「集団で公に」殺人を行う
歴史を淡々と語られた本を読むのはもっと苦痛だった。

それらは今起こり得ないとは限らない。
著者や訳者だけでなく多くの人はそう思うのではないか。

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とここまで書いていて、今更ながら
「それ」は継続されていたんだっけと思った。
ジェンダーとかなんとかもさることながら
(こういう言い方は語弊があるんだろうな)
ものすごく考えることが出てくる本。

あと何か夢に出そう・・・。

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公共機関から借りた本にさんざんラインが引かれてるのは
読みづらく不愉快だ。寄贈本なのだろうか
それとも入荷した新刊本に、過去に借りた者が
研究のために事細かに印をつけたのだろうか。
いずれにせよ邪魔である。

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