ISBN:4469244198 単行本 1997/12 ¥2,625

「北欧のロマン ゲルマン神話」Teutonic Myth&Legend

著:ドナルド・A・マッケンジー
編訳:東浦義雄+竹村恵都子
(大修館書店)

天地創造から神々の活躍、巨人族の反乱
英雄の盛衰・・・古い神々が滅ぶラグナロク『神々の黄昏』
そして新しい神々の誕生までがゲルマン神話の領域といわれる。

ギリシャ神話やケルトの伝説から比べれば
あまりなじみがないかもしれない北欧の神々の物語を
わかりやすい平易な文章で綴る。
巻末にゲルマン神話小事典もついていて便利。
主な登場人物の関係図(系図)も各話ごとについていて
北欧神話の入門書としてもいいのでは。

翻訳者の前書きによると
原著者のマッケンジー氏はその資料の大半を
『古エッダ』の各詩篇と、スノッリの『新エッダ』から得たらしい。
他に12世紀頃かかれた『デンマーク人の事績』という歴史書も
参考文献になっているという。

キリスト教が広く欧州に広がるとともに
異教の神々の物語は失われていく。
伝えるべき子孫たちはキリスト教に改宗していき
異教伝承を口にしたり書き残すことを敬遠したのかもしれないとのこと。

世界に広がる英文学として残るためにはイギリスに根付く必要があったが
神話を語り継ぐ北欧人の移住者のなかには、
文字を残す詩人や学者が乏しかったらしい。

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主神オーディンはアース神族の支配者であり最高神である。
世界は九つに分かれており、最も上方に位置する
アースガルズに神々が棲む・・・。

職人の技比べや巨人との力比べ、嫉妬、恋の話、
ちょっと子供っぽいようなことでも激しく立腹して
果ては戦争になってしまうのがすごい。
神話に出てくる神様ってどうしてみんなこうも
人間と同じ愚かさや可愛らしさを持ってるんでしょう。

オーディンと女神ヨルズの息子、雷神トールは
槌ミョッルニルを振るいまくって巨人を懲らしめる・・が
かなり短気でキレやすい神様です。
子供の頃恐怖体験でもしたのかしら・・・(謎)
あっちこっちで殴る殴る。

整った容貌をもちながら邪心に満ちたロキは
いつも悪巧みをして他の神々を苦境に立たせます。
狼と大蛇、そして半身が死体の怪物たちを
妖婆アングルボザに産ませ、ラグナロクでは
その怪物たちがオーディンやトールを死に至らしめる。
うーん。イメージが。

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