ISBN:4062582341 単行本 2002/03 ¥1,785

「聖なる王権ブルボン家」

著:長谷川 輝夫
(講談社選書メチエ 234)

ブルボン家は、16世紀末から18世紀までのフランスを支配した王権である。王権としての歴史は内戦の時代のアンリ4世に始まり、断頭台の露と消えたルイ16世によって終わる。ルイ16世の弟たちがナポレオン1世の時代の後に王位に就いてはいるが、それはそれまでの王朝とは一線を画しており、ここでも触れられていない。 (レヴューで表示されたママ)

内戦を勝ち抜いたアンリ四世。
実母と抗争するルイ十三世。
「太陽王」ルイ十四世。
愛人たちにおぼれたルイ十五世。
そして断頭台の露と消えたルイ十六世。
強き王と華麗なる人間模様が織りなす
フランス絶対王政の栄華と自壊を活写する。(表紙紹介文より)

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ヨーロッパの覇権をめぐるハプスブルク家との対立もすごいし
イギリスとくっついたり離れたり長らく戦争したり。
カトリックとプロテスタントのいざこざに
王位継承戦争、内戦、反乱、革命・・・
世界史の教科書で年代だけ、あるいは事件の呼称だけ
言われたら、どれのこと言ってるのか頭が混乱しそうなくらい
いろいろあったらしい・・・。

フランス。でルイ、と言えば
「ベルばら」からの知識がほとんどで、
そのイメージで最後のブルボン家の専制君主は
錠前づくりが趣味で凡庸な人、とか
マリー・アントワネットとフェルゼン伯の話とか。

そのあとでS&A・ゴロン原作の歴史大河小説を
少女漫画化した木原敏江さんの「アンジェリク」を読んで〜。

そのあとはちまちまドキュメンタリーや洋画、美術品の解説などで
「こーんな感じ」と勝手にイメージを抱いていた。

実際にブルボン王朝の話を読んでみると、これまた面白い。
ハプスブルク家と神聖ローマ帝国の話も面白いが
フランスからみた欧州史もいいな。

小説の印象から、子供の時に戴冠して、摂政や宰相に
骨抜きにされた傀儡のような王様たちかと思っていたが、
彼らを主人公として、その視点で考えていけば
「ただの」世襲君主ではないと思える。

またブルボン王家が台頭して、フランス革命で終焉を迎えるまで
(王政復古の時のルイ16世の王弟たちについては除外)
たったの二世紀(16世紀末〜18世紀末)しかないことも
よく知りませんでした。もっと長いことフランスに
君臨してたのかと思っていました。

「鉄仮面」のエピソードは出てきませんが
また新たな発見もたくさんあって、関連書籍をリンクしてくのは
楽しいなあと思ったしだい。

あと、この本は、著者の「人間」に対する深い愛情が感じられて
読んでいてホントに面白かったし、多くある研究本や歴史書の
なかでも大変読みやすかったです。

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